福ちゅく2nd

瀬上チュックボールクラブの活動記録(非公式)・イベント・技術指南・過去語りなどなど、チュックボールに関する話題を好きなように書いていくブログです。

過去編9 こぼれ話3

今回の大会で、台湾をはじめとする世界の強豪国を目の当たりにして分かった事がたくさんある。

 

長い間海外に出ていなかった日本にとって、時代の最先端である台湾をはじめとする強豪国の技術はまさに異次元。ネットの使い方、スカイプレー、戦術どれをとっても我々の想像を上回るものだった。ここまで競技が昇華されていることに感動すら覚えた。

 

これまでの競技に対する理解や取り組み方を、根本的に変えていかないと話にならないというか、スタートラインにすら立てない感じ。

例えばシュートの打ち方一つとっても日本はネットにボールを「当てる」のに対して、「こする」シュートが主流だったりと全然違うんだよね。

 

そもそも、チュックボールというスポーツ自体がレクリエーションスポーツ・競技スポーツとしてどちらでも高い完成度を誇るスポーツなんだけど、それぞれがハンドベースボールと野球みたいなもので、大筋のルールは同じでも全然違ってくる。

 

そして日本ではこれまでレクリエーションスポーツとしての側面が強かった。これはニュースポーツの性質上、仕方ないんだけどね。だから今度、国際大会で勝つためには競技性重視の取り組みに転換する必要がある。ただここで競技人口の問題が出てきて、万人がそんな高いモチベーションで出来るものでもないから、一朝一夕では実現しない非常に難しい問題。

どこが一番難しいかっていうと、新規の競技人口を増やしたいならまずはレクリエーションスポーツとして紹介したほうが簡単だから。

初心者でいきなり日本代表目指して取り組みますって人は基本居ないし、まずは競技に触れて楽しんで、好きになってもらうことが第一。でも競技性とレクリエーション性は共存は出来ない。

(野球とかサッカーのように知名度が高く、競技人口が多いスポーツであれば住み分けも容易なんだけどね・・・)

 

 

日本と強豪国の具体的な違い以下の通り(プレイヤー向けの内容です)

●簡略版

・ネットの使い方
 日本は「ボールをネットに叩きつける」シュートが主流。
 強豪国のシュートは「ネットにボールをこする」

スカイプレーへの意識
 日本のパスは「左右に揺さぶる」
 強豪国は「ディフェンスを崩す」

・コートの使い方
 日本は「コートの半分を使う」
 強豪国は「コートを全部使う」


●詳細版

・ネットの使い方
日本ではハンドボールのシュートの様な、「強く投げる」ことを重視する人が多い。
モーションの小回りが利かず、コースの打ち分けやパスになると相手に読まれやすくなってしまう。
それに対し、強豪国の選手は「ネットの反発力を最大限に利用して、こする(切る)」様なシュートが多い。
コースの打ち分けやパスもモーションを変えずに行えるので、非常に守りにくい。
(尚、当たり前だけど強豪国の選手はフィジカルも超強いのでシュートも普通に強いです)

スカイプレーへの意識
日本のパス回しは、とにかく遅い。せっかくパスで守備が乱れても、次の動作が遅くて守備側が体制を整えてしまう。
強豪国のスカイプレーは、守備の動きを確認しながら「穴が出来るまでパス」をするという意識。
ディフェンスが乱れると容赦なく狙い打たれるが、そもそものパス回しが早いうえに、前述の通りシュートと同じモーションでパスが来るので、ディフェンスはギリギリまでシュートを警戒していてすぐに動けない。

・コートの使い方
これは競技人口的なものもあるので、仕方ないんだけど、日本はオールコートに慣れていない。
サイドチェンジや、逆側のコートに落ちるような弾道の高いシュートなどは滅多に見られない。
強豪国は相手守備の乱れが無かったり、片側のネットに人数をかけすぎていると容赦なくサイドチェンジで立体的な揺さぶりをかけてくる。前述の通り、ネット際の平面的な揺さぶりでもきついのにここまでやられちゃ到底守れないよね。

 

以上。このレベルでやるのにはあと何年かかるやら( 一一)

 

ないものねだりをしていても仕方がないので、現状でどこまで出来るかを考えていく。また、海外との差を埋める為には競技人口の拡大はマスト。

 

でも新しい世界が広がったのはむしろ良いことで、国内に居るだけじゃ自分たちでチュックボールの限界を勝手に決めて、満足して辞めてたかもしれない。

やはり海外に出ないと情報のアップデートが出来ず、今のトレンドに合わせた練習が出来ない(=正しい努力が出来ない)事が問題だったから、今大会を通して練習方法等を勉強出来たのは大きな収穫だった。

 

なかなか難しいとは思うけど、今後もチャンスがあれば国際試合にはどんどん参加するべき。チュックボールはアジア地域のレベルが非常に高く、特別な条件を満たさなくても参加資格のある大会で強豪国と対戦出来るのは追い風とも言える。

最強国台湾は近いから、世界選手権に出なくても簡単に対戦できるしねw