福ちゅく2nd

瀬上チュックボールクラブの活動記録(非公式)・イベント・技術指南・過去語りなどなど、チュックボールに関する話題を好きなように書いていくブログです。

日本と強豪国の違いについて

●はじめに

何度かの国際大会を経て痛感したのは、日本はチュックボール後進国だということ。

そもそも競技人口や普及率の点で、世界トップクラスの台湾やマカオと比べて雲泥の差。これは勿論仕方ないとしても、練習方法や戦術が確立してない(=正しい努力が出来ない)のが一番の問題。

また、チュックボールというスポーツ自体がレクリエーションスポーツ・競技スポーツとして高い完成度を誇るスポーツではあるのだが、それぞれが似て非なるものである。
(ハンドベースボールと野球みたいなもので、大筋のルールは同じでも全然違う)

これまで日本ではレクリエーションスポーツの側面が強く、競技性の最高峰とも言える台湾をはじめとした強豪国のレベルを初めて目の当たりにした時の衝撃は大きかった。
これまでの競技に対する理解や取り組み方を、根本的に変えていかないと話にならない。

だが、チュックボールはアジア地域のレベルが非常に高く、(○○大会で3位以内入賞などといった)特別な条件を満たさなくても参加資格のある大会で強豪国と対戦出来るのは幸いである。
国際交流も増え、特に台湾の国際チュックボール連盟会長 方慎思様よりをアドバイスもいただけるといった現在の環境は、暗中模索だった何年か前までと比べて格段に良いと言える。
目指すべき頂きが見えていれば、登るために正しい努力を出来るのでとても嬉しいことです。(昔はどっちの方向に向かって良いのかすら分からなかったしね)

 


●日本と強豪国の具体的な違い(簡略版)

・ネットの使い方
 日本は「ボールをネットに叩きつける」シュートが主流。
 強豪国のシュートは「ネットにボールをこする」

スカイプレーへの意識
 日本のパスは「左右に揺さぶる」
 強豪国は「ディフェンスを崩す」

・コートの使い方
 日本は「コートの半分を使う」
 強豪国は「コートを全部使う」

 


●日本と強豪国の具体的な違い(詳細版)

・ネットの使い方
 日本ではハンドボールのシュートの様な、「強く投げる」ことを重視する人が多い。
 モーションの小回りが利かず、コースの打ち分けやパスになると相手に読まれやすくなってしまう。
 それに対し、強豪国の選手は「ネットの反発力を最大限に利用して、こする(切る)」様なシュートが多い。コースの打ち分けやパスもモーションを変えずに行えるので、非常に守りにくい。(当たり前だけど強豪国の選手はフィジカルも超強いのでシュートも普通に強いです)

 

スカイプレーへの意識
 日本のパス回しは、とにかく遅い。せっかくパスで守備が乱れても、次の動作が遅くて守備側が体制を整えてしまう。
 強豪国のスカイプレーは、守備の動きを確認しながら「穴が出来るまでパス」をするという意識。ディフェンスが乱れると容赦なく狙い打たれるが、そもそものパス回しが早いうえに、前述の通り、シュートと同じモーションでパスが来るので、ギリギリまでシュートを警戒して動けない。

 

・コートの使い方
 これは競技人口的なものもあるので、仕方ないんだけど、日本はオールコートに慣れていない。サイドチェンジや、逆側のコートに落ちるような弾道の高いシュートなどは滅多に見られない。
 強豪国は相手守備の乱れが無かったり、片側のネットに人数をかけすぎていると容赦なくサイドチェンジで立体的な揺さぶりをかけてくる。前述の通り、コートの平面的な揺さぶりでも大変なのに、そこまでやられるともう訳が分からないよ(某邪悪なマスコット的存在風)

 


●競技に対する取り組み
 競技人口などは言わずもがなだけど、日本のチュックボールを取り巻く環境自体が整ってないことも大きなマイナス要素となっている。
 瀬上でも練習は基本的に週1回数時間ぐらい。豊山や東京だともっと頻度は落ちるそうです。
 限られた時間と用具では広範囲の練習が出来なくなるので、自ずと「得意なものを伸ばす」事が一番手っ取り早い方法になってしまう。
 人数不足により練習もレベル差を考慮できず、言い方は悪いが「低いレベルに合わせる」事を強要されることになる。

 だが、これは練習方法が確立されてなかった以前の話で、現在の瀬上の練習ではかなり改善している。
 しかし、これを全てのチームや、ましてや振興チームが出来るかというと、難しいだろう。
 チュックボールにはマニュアルが無くて、各チームが色々考えて試行錯誤しながら練習内容を決めているのがほとんどのケースになるので、今後はそういった情報共有も重要になりそう。
 ただ、基本的に他チームは日本選手権で争う「ライバル」なので、情報提供の是非については難しいところだよね。

 

 

他にも問題点を挙げるとキリがないけど、いずれにせよまずは競技人口の増加がありきの話となるので、一人でも多くの新規プレイヤー獲得というのが今後の日本チュックボール界全体の命題となることは間違いない。